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zoom RSS 井上ひさしさん追悼公演「黙阿彌オペラ」を観に行ってきました。

<<   作成日時 : 2010/09/12 22:45   >>

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2010年4月9日亡くなられた、
井上ひさしさんの追悼公演
『黙阿彌オペラ』を
9/12、大阪シアター・ドラマシティまで
観に行ってきました。

出演は、
藤原竜也さん、
北村有起哉さん、
吉田鋼太郎さん、
熊谷真実さん、
大鷹明良さん、
松田洋治さん、
内田滋さん、
朴勝哲さん、
でした。

当初の予定では、
『木の上の軍隊』という新作を
藤原竜也さん、
北村有起哉さん、
吉田鋼太郎さんで
上演する予定だったそうなのですが、
井上ひさしさんが執筆できなくなったため、
井上ひさしさんが、
「最も見たい作品」だった
『黙阿彌オペラ』の上演に変更されたということでした。

お話は、
嘉永六年(1853)師走から、
明治十四年(1881)晩秋まで。
狂言作者の二世河竹新七(のちの河竹黙阿彌)が、
両国橋西詰めの小さなそば屋で、
出会った人々と一緒に、
捨て子の娘を立派に育てるために、
株仲間を組み、
幕末から明治の日本の動乱に翻弄されながら、
懸命に生きる姿を描いたものものでした。

井上ひさしさんの
言葉に対する執着、こだわり、
ではなくて、
愛なんでしょうね。

もっと、人間に対する愛が、
言葉一つ一つに込められている
そんな表現では、足りない
温かく、深いものが、
感じられました。

登場人物一人一人が、
いいところも、悪いところもあって、
どうしようもないところもあって、
でも、懸命に生きる
自ら、死んではいけないし、
絶望的に感じられても、
どこかに希望があって、
道は、細くても、見つけにくくても、
必ずある
なんとかなる!
という本当に温かい励ましが
込められているように思いました。

人と人とのつながりによって、
かかわりによって、
道が開け、導かれ、
どうしようもなくなっても、
また、一筋の糸が、垂らされ、
再び登っていける
そんなことを教えてもらった気がしました。

それと、幕末から明治への転換、
上っ面ばかりを真似ようとする明治政府のやり方は、
現在でもよく似たところがあって、
多くの民衆は、置き去りになっているという
河竹新七の言葉は、
現在もあまり変わらないのではないかと、
複雑な思いになりました。

今は、明治よりずっとずっと、
声を上げやすくなったはず、
もっと、自由なはずなんですよね。

それなのに、あまり変わらないなんて、
どうしてだろうと思いますよね。

河竹新七は、
他の株仲間の面々が、政府の方針に踊らされ、
銀行を作り、大切なものを犠牲にしても、
強引にやってしまおうとするやり方に抗議するシーンがありました。

そこで、河竹新七は、
芝居を作り、芝居を打つ芝居小屋は、政府
その芝居を観るのが、民衆という具合に
世間を芝居小屋にたとえていました。

芝居を作るものは、客が求めるものをつかみ、
必至になって、芝居を作らなければいけない。
そうでなければ、
毎日毎日、汗水たらして働いて、稼いだお金を
切り詰めて、切り詰めて、必至に工面して、
芝居を観にきている客に、申し訳が立たない。

芝居小屋は、客が求めるものをやってこそのもの
政府だって、国民が、望むことをやってこそのもの
それが、西洋に追いつけ、追い越せとばかりに、
躍起になって、
国民が望むものを見ようともせずに、
西洋のやり方ばかり、上っ面ばかり、
体裁ばかりを整えようとしている。
それでは、国民がついてくるわけがない
というようなことを言うのです。

しかし、芝居を見るものも、
芝居に対して、求めるものが強くあってこそ、
その芝居は、成功を収めるもので、
客が観たいと思うものがなければ、
芝居は成り立たないとも言っていたように思います。

政治とか、世間とかの話は、ともかく、
このシーンが、響くのは、
井上ひさしさんの脚本を書くときの
想い、心構え、
そのものだったからではないかと思いました。

芝居は、脚本、役者、客がいて初めて
成り立つものですものね。

脚本がよくても、
役者が、・・・なら、
何も伝わらないわけでね。

生前、井上ひさしさんは、
「藤原(竜也)さんには『黙阿彌オペラ』の
五郎蔵という役をやってもらいたい。
ちょっと悪(わる)だけど、
実は彼は憎めないよい奴。
それが藤原さんにはぴったりですから、
観てみたいんです。」とおっしゃっていたそうです。

また、井上ひさしさんは、
「藤原さんをもっと成長させたければ、
五郎蔵役はぜひやってほしい」
とも、おっしゃっておられたそうです。

そんな井上ひさしさんの言葉を伝え聞いた
藤原竜也さんも、
「五郎蔵ができれば、僕自身が俳優として
脱皮、脱出できるんじゃないか
という確かな予感が日々強くなって」きたのを感じたそうでです。

そうしてできた藤原竜也さんの五郎蔵は、
一本気なのに、うまく筋が通らなくて、
失敗ばかりなのに、強がる、
不器用な人だったように思います。

こんな人は、どうも憎みきれないものですよね。

藤原竜也さんは、ご自身で、
「五郎蔵って本来のぼくに近いのかもしれません」と
おっしゃっているくらいですから、
とんがって、ツンツンしたイメージのある
藤原竜也さんのも、そんなところがあるんでしょうかね。

藤原竜也さん、
井上ひさしさんの読みどおり、
もっと、大きく成長、飛躍なさるんでしょうね。

藤原竜也さんには、
いろんな役をやってもらいたいですね。
楽しみですよね。

いやぁ、私としましては、
いろんな役をしてほしい方は、
もう一方おられまして、
及川孝之進役をされた
北村有起哉さんなんですが、
やっぱり、いい役者さんですよね。

ゲキシネ『メタルマクベス』で、
初めて拝見して、
カッコいい方だなぁと思っていたので、
北村有起哉さんが、
今回のお目当ての一つでもあったんです。

思っていた以上に、楽しい方でした。

間の取り方が、好きでした。
とにかく、楽しくて、
魅力的な俳優さんだということを
再確認することができました。

ああ、久次役の松田洋治さんも
いい味出てましたよ。

蜷川幸雄さん演出の『薮原検校』で、
初めて拝見したとき、
すごく器用な方だなぁという印象でした。

今回もまた、器用さが光っていましたし、
いないとすごくさびしい絶妙の存在感で、
すごいなぁと思いました。

器用さ、絶妙さは、
大鷹明良さんも、
そこは、ベテランさんで、
軽妙に見えて、深い!
大いに楽しませていただきました。

熊谷真実さんとの掛け合いといいますか、
やりとり最高でした。

うーん、あれは、
熊谷真美さんの体力勝負だったかな?!

いやぁ、
熊谷真実さんのとら、おみつ役は、パワフルでした。
おばあさん役なのに、
誰よりもパワフルで、
元気をもらえた気がしました。

台詞も多いし、動きもたくさんで、
大変だったと思います。

でも、その分、いえ、その何倍も、
楽しく、楽しく、してもらえて、
本当に、楽しませてもらいました。

ああ、
明るさ担当が熊谷真実さんなら、
しっかり、ビシッと、バシッと、
決めてくれたのは、河竹新七役の
吉田鋼太郎さんでした。

先ほど、挙げた河竹新七の台詞が、
重み、説得力を持つのは、
やはり、吉田鋼太郎さんだったからで、
素晴らしかったと思います。

蜷川幸雄さん演出作品では、お馴染みですし、
安心感は、違いますよね。

いやぁ、安心してちゃだめですよね。
吉田鋼太郎さんの
グッとくる台詞の数々を
もっと、噛みしめないと、
もったいないですね。

吉田鋼太郎さん、
深いです。

円熟味を増している俳優さんのお一人ですね。

こんなこといってたら、怒られそうですね。

失礼致しました。


うーん、今回は、
楽しかった上に、
心が温まりました。

こんないい作品を生み出された
井上ひさしさん、
やはり、偉大ですね。

そんなことを考えながら、
舞台を観ていたら、
泣く場面でもないのに、
少し、涙が出そうになりました。

鳴り止まない拍手に応えての
数回にわたるカーテンコールの際、
藤原竜也さん、
北村有起哉さん、
吉田鋼太郎さんが、
代わる代わるに
井上ひさしさんの写真を掲げられておられたのを見て、
本当に、涙が出ました。











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舞台:「黙阿彌オペラ」♪。
平成22年9月15日(水)。 舞台:黙阿彌オペラ 鑑賞レポ。 【作者】井上ひさし 【演出】栗山民也  【音楽】宇野誠一郎 【キャスト】藤原竜也・北村有起哉・大鷹明良・松田洋治・朴勝哲・熊谷真実・内田慈・吉田鋼太郎 【ストーリー】 劇詩人の新七(吉田鋼… ...続きを見る
☆みぃみの日々徒然日記☆
2010/09/17 13:21

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
藤原竜也君を観に行った舞台で、吉田鋼太郎さんを知り、「ムサシ」に続いて、井上ひさしさんの作品ということで、鑑賞を決めました。

本当に。全部素晴らしかったです。
心がぐいぐい魅きつけられて、舞台と一緒に喜怒哀楽していました。

熊谷さんのとらばあさんとおみつ。
パワフルでしたね〜。別人格なのに、なにげに血のつながりを感じさせる。上手いなぁ。。。と思いました。
吉田さんは、「オペラ」でみんなが盛り上がっている間中、舞台端で、とまどい考え込む新七さんでした。

ステージはお客さんのために、国は国民のために。

井上さんの温かなメッセージ伝わってきました。
多くの人に、このメッセージが伝わるといいな☆と思います。
みぃみ
2010/09/17 13:29
みぃみさん、
温かいコメントありがとうございます。

吉田鋼太郎さん、さすがですよねぇ。
育ちがよく、
「とまどい考え込む」役の吉田鋼太郎さんも
いいですよね。

熊谷真実さんのとらとおみつも、
よかったですね。

本当に、井上ひさしさんのメッセージは、
多くの人に伝わってほしいものですね。

いやぁ、私たちが、思う以上に、
井上ひさしさんの作品は、
素晴らしいものばかりですから、
これからも、多くの人の心を捉え、
多くの人々に、井上ひさしさんの
温かなメッセージは、伝わっていくでしょうから、
楽しみにしていましょう!
tomotT
2010/09/17 22:15

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