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help リーダーに追加 RSS 月心寺 村瀬明道尼さんの料理のコツは、愛情込めて「君がため」

<<   作成日時 : 2008/07/04 23:23   >>

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7/4の朝日新聞(夕刊)『語る人』で、
月心寺住職の村瀬明道尼さんの記事を読みました。

5/18こちらのブログで、
棚橋俊夫さんのことを書かせていただいたのですが、
棚橋俊夫さんが、料理を志すきっかけになった方が、
この月心寺の村瀬明道尼さんでした。

私は、村瀬明道尼さんのお名前を見ながら、
どこのどういう方か、わかっていませんでした。

村瀬明道尼さんは、テレビなどで何回も取り上げられており、
私もそのテレビを拝見し、
こういう方がおられるのだな、と思っていたのに、
そのとき、調べることを怠って、
今回、この方だったのか!とわかった次第でした。

村瀬明道尼さんは、1924年愛知県のお米屋さんの
9人きょうだいの5番目としてお生まれになり、
尾張地方に伝わる
「一子出家すれば九族天に生ず」
(一人がお坊さんになれば、親族が極楽に生まれ変わる)
という考え方から、
9歳で京都の尼寺・高源時の弟子となったそうです。

京都府八幡市の水月寺副住職などを経て、
大津市の月心寺の住職になられたそうです。

その間の1963年、村瀬明道尼さん39歳、
月心寺の小町百歳堂(こまちももとせどう)の落慶目前の7月、
(落慶 らっけい=新築、修理の完成を祝うこと)
「お寺の食事は、野菜ばかりでかなわん」という
大工さんたちに、お魚でも食べてもらおうと、買出しに出て、
国道1号を暴走していたダンプカーに、跳ね飛ばされ、
かろうじて一命をとりとめたものの、
9ヶ月ほど入院し、少しでも動くと激痛が走り、
息をすることしかできない状態になったそうです。

その後、右手、右足が、不自由になり、
左手で、箸を持ち、筆を持てるようになったけれど、
包丁で野菜の皮をむいたり、細かく刻んだりできなくなってしまったそうです。
しかし、ごま豆腐のごまは、左手にすりこぎを持って、すっているそうです。

この<ごま豆腐>は、月心寺の精進料理の中でも、
評判だそうです。

村瀬明道尼さんは、
朝の勤行の代わりに、
ごまを約1時間かけて、すっているそうです。

なぜ、勤行の代わりに、
精魂込めて料理をする方を選ぶのかという問いに、
江戸時代の臨済宗の白隠禅師が説かれた、
「衆生本来仏なり」という
生きとし生けるものみなが、<み仏>という考えをあげられ、
村瀬明道尼さんにとって、
月心寺を訪ねる「生きたみ仏」であるお客さんに
心を込めて料理を作ることが修行です、
と語られました。
また、大根やにんじんも、おいしく食べていただくことで、
成仏するのではないでしょうか
とのことでした。

そして、おいしい料理を作るコツは何ですか?という問いに、
「旬のものを安く手に入れ、美しく刻み、
手早く調理して、心を込めて盛り付ける。
何より重要なのは、
<君がため>です。
大切な、大切な人に食べていただくという気持ちで作る。
そこに込めた愛情が一つでも欠けたら、
ゼロになってしまう」
と答えられていました。

そんな、月心寺の精進料理について、
『吉兆』創業者の湯木貞一さんは、
「天下一」と高く評価されたそうです。

村瀬明道尼さんの人柄については、
随筆家の白洲正子さんが、
「一休和尚を女にしたような尼さん」と評されたそうです。

それは、村瀬明道尼さんが、
お酒を飲むし、たばこも吸うし、
好きな食べ物は、ステーキやとんかつ、
こってりしたラーメンだそうで、
33歳にして初めて、
25歳年上の男性に恋をするという
尼僧にあるまじき心を抱いたということからだったのでしょうか。

九死に一生を得て、来年の今日、
自分がこの世にいるかなんて誰もわからない
と思ったことから、
自分を欺かず、
いまを精いっぱい生きなければならないように思われた
こともあるのかもしれません。

事故の経験は、<食>の考え方にもつながっているようで、
月心寺の箸袋には、『食事訓』が書かれてあり、
「食べ物が自分のところに来るまでにかかわった人々の苦労を思う。
自分たちの徳行が少ないのに、
この食べ物をいただくことを過分に思い感謝する。
暴飲暴食を慎む。
食事は、五体を養う良薬として、
くいのない人生を送るためにいただく」
ということが説かれているそうです。

また、食事が平穏にいただけることは、
平和な暮らしの証しで、
親が死んだり、地震や火事に遭ったり、
心配事があったりすれば、
ご飯がのどを通らなくなる。
日に3度もいただけることを感謝して暮らしたいものですね
と締めくくられていました。

村瀬明道尼さんは、
事故に遭って、入院しているとき、お医者さんが
「仏様があんたを生かしておきたくなかったら、
すぐに死んでるはずや。
生きているということは、あんたが必要だからや」
と、声をかけてくれたことを覚えておられるそうです。

村瀬明道尼さんは、きっと、
<食>を通して、<人生>を説くために、
おいでなのでしょうね。

本当に、食事を平穏にいただけることは、ありがたいことです。
そして、その食事によって、生かされていることを
忘れてはならないのだと思いました。

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